徐福は、2200年以上前に実在したとされ、不老不死を実現するための呪術や祈祷・薬剤の調合にたけ、医薬・天文・占術等にも通じた秦(中国)の学者です。
中国で初めて天下を統一した秦の始皇帝から、不老不死の仙薬を手に入れるよう命じられた徐福は、数千人の若い男女と農産物、幾多の農工具類を積んだ数十隻の船を率い、仙薬を求める航海に出発しました。
やがて熊野市波田須町の海岸に到来し、この地に医薬学や造船、捕鯨、製鉄、農業、窯業など、当時の中国の最先端技術を伝えたとされています。波田須の地名は、古く「秦住」と記され、また中国秦時代の古貨幣「半両銭」や徐福が焼いたとされる陶器が出土しているほか、徐福到来の証が数多く残っています。波田須には、徐福が求めた仙薬とされる「天台烏薬(てんだいうやく)」が今も茂っています。