のちに初代天皇・神武天皇となるカムヤマトイワレビコと3人の兄は、日本を統治するのに最適な地を求め、日向(現在の宮崎県)から東に向けて出発します。難波碕(現在の大阪府)から上陸し、大和(現在の奈良県橿原市)へ向かうものの激しい襲撃に合い、1人の兄を失います。今度は、船で紀伊半島を回り熊野からの上陸を目指すものの、熊野灘で嵐に見舞われ、さらに2人の兄を失ってしまいます。
カムヤマトイワレビコは、熊野の荒坂の津(現在の熊野市二木島町)にある楯ヶ崎より上陸し、ヤタガラスに導かれ、幾多の困難を乗り越え大和に入り、初代天皇・神武天皇になったと伝えられています。
命を落とした二人の兄を祀っている阿古師神社・室古神社間を関船で競争する「二木島祭」は、熊野灘で嵐に遭った一行を、住民が船で救出に向かった様子が起源と伝えられ、2010年まで受け継がれていました。