江戸時代、鉄砲の名人として知られた大馬新左衛門はある朝、当時の生活道である松本峠を通って北へ向かいました。用事を済ませ、帰る頃にはあたりはすっかり暗くなっていました。帰りを急いで再度松本峠を通ったところ、月明かりの下に得体のしれない大きな影が立ちはだかりました。新左衛門は驚き、「これは妖怪に違いない」と鉄砲を構えます。「妖怪が化けるときは必ず頭を下にする」―――新左衛門は足元に狙いを定め、鉄砲を撃ち放つと、これが見事に命中しました。しかし、近づいてよく見ると、それは妖怪ではなく新左衛門が峠を通った後、昼間に建てられたお地蔵様でした。松本峠に静かにたたずむお地蔵様の足元には、今もなおその時の鉄砲の弾痕が残っています。
狙った獲物は外さない!?敏腕スナイパー
大馬新左衛門
おおましんざえもん
敏腕スナイパーとして名を馳せるも、実は極度のド近眼&お化け嫌い。普段は冷静沈着だが、暗闇が苦手で少しの物音でもドキッとしてしまう。仕事は定刻でキチッと帰るタイプ。